最終更新日:
新型コロナウィルス感染症の影響や働き方改革の推進によって、社内のコミュニケーション不足が課題となっています。社内コミュニケーション不足は、生産性の低下などあらゆる問題に直結します。このページではそれらの課題を解決する方法をご紹介していきます。
目次
社内コミュニケーションとは、上司と部下あるいは従業員同士が、業務の中でとる何気ない日常会話から、大人数で行う会議や社内イベントなどはもちろん、最近ではチャットやWeb会議、社内SNSなど業務中に行うあらゆる意思疎通や情報伝達を指しています。
2019年12月に中国で初めて報告された新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)は、その後全世界に広がり、多くの人々を苦しませています。この未知のウィルスは人々の健康に大きな影響を与えただけでなく、私たちの働き方も大きく変えてしまいました。「人との接触を避ける」というコミュニケーションの根本が阻害される反面、リモートワークが爆発的に広がり、インターネットにアクセスできる場所にさえいれば、遠隔でのコミュニケーションが可能になったのです。さらにコロナ前から推進されていた働き方改革により、時短勤務やフレックス制度の導入も加速するなど、働き方も多様化の一途をたどっています。
これらの要因によって浮かび上がってきたのが「社内コミュニケーションの不足」です。コロナやリモートワークによって、人と人との距離を遠ざかることで、生産性や教育の質の低下、上司・部下との関係性やチームワークの悪化など、多くの課題が出ており、実際に約7割の企業は「社内コミュニケーションに課題がある」と感じています。
出典:HR総研 社内コミュニケーションに関するアンケート 結果報告
その一方で、ワークライフバランスを実現したことによる家族との時間の創出、夢だった郊外移住などを叶えた方が増えてきたのも事実です。コロナや働き方改革によって、労働に対する価値観や社内コミュニケーションの考え方が変化している今。あらためてこれらの問題に向き合ってみる必要がありそうです。
時代の変化とともにコミュニケーションの方法も変化しています。特にコロナの影響やデジタル技術の進化によって、近年のコミュニケーションの仕方は大きく変わり、それが要因となって表面化した課題もいくつかあります。ここではそれらの課題について解説していきます。
コロナによって政府から人との接触を極力減らす方針が打ち出されて以来、爆発的に広がったのがテレワークや在宅勤務です。テレワークや在宅勤務であっても、電話やウェブ会議ツールなどによって交流は可能です。しかし、これらのツールを使用すると、必要なことしか話さずドライなコミュニケーションになりがち。雑談から広がるコミュニケーションの深化が期待できなくなりました。
業務の効率化を図るため、これまでよりもメールやチャット、社内SNSなどを活用する機会が増えました。しかし、これらのデジタルツールをうまく使いこなせる人とそうでない人の間に格差が生まれているのも事実。使いこなせない人はコミュニケーションの変化に付いていけず、孤立してしまう可能性があります。スマートフォンの普及により、休憩時間やランチタイムで個々がスマートフォンを見る機会が増え、他者とのコミュニケーションが減少しているのも大きな課題のひとつです。
近年、個を大切にした多様な働き方を企業が認めるべきという考え方が広まりつつあります。これに付随して、企業はフレックスタイム制を導入したり、育児・介護休業などの制度によって時短勤務をしたりする人も増えました。しかし、これらによって他の社員と物理的に接触する機会が減少し、コミュニケーションが不足する事態に陥っている企業も数多くあります。
その人が生まれた時代によって、メディアは「昭和世代」、「ミレニアム世代(1981~1997年の間に生まれた人)」、「Z世代(1990年後半から2010年の間に生まれた人)」、「ネオ・デジタルネイティブ(学生時代からデジタル機器を使いこなしている人)」など、さまざまな定義付けを行っています。このような定義は「デジタル世代」、「アナログ世代」に大別できます。デジタル世代はオンライン飲み会やゲーム、チャットなどのデジタルツールを使いこなしてコミュニケーションを取るのに対し、アナログ世代は接待や飲みニケーション、タバコ・コミュニケーションで交流を図ってきました。この両者をうまくコミュニケーションさせるのは、その方法の違いからもなかなか難しく、どうしてもコミュニケーションギャップが生まれてしまいます。
職種や業務内容によってもコミュニケーションの仕方が違います。事務作業などを主とする「ホワイトカラー」は、基本的にデスクワークなどのオフィス仕事であることが多く、デジタルツールでのコミュニケーションが取りやすい環境にあります。一方、工場などで働く「ブルーカラー」は、現場での仕事の比重が高く、頻繁にメールや社内SNSなどをチェックできる環境にありません。両者の違いを把握し、コミュニケーションを考えることも大切です。
「社内コミュニケーションが必要だ!」と言われますが、そもそもなぜ必要なのか、考えたことはありますか?社内コミュニケーションが必要だと言われる理由と活性化のメリットをご紹介します。
社内コミュニケーションが円滑であれば、生産性が向上するといわれています。多くの場合、仕事はチームで行われ、それぞれの担当領域を持っています。チーム内には若手もいれば、ベテランも在籍しており、それぞれの経験やスキルにバラつきがあるもの。そこで活発にコミュニケーションが取れていれば、ベテランから若手へスムーズにスキルの共有が行われ、メンバー全員の技能が平準化されます。その結果、チームの生産性が向上していきます。さらにコミニケーションコストの見直しを実施すればこれまでよりも効率を高め、生産性を向上させることができます。たとえば、会議をする場合オンライン会議という手段を得たことで、会議に参加する社員の移動時間や移動コストの効率化が図れるようになりました。会議という1つのコミュニケーションを取る場合でも、従来のやり方に疑問を持たず、漫然と設定するのではなく、必要なコストをしっかりと精査することで、内容が濃く、コストを抑えたコミュニケーションが可能です。伝達方法についても口頭で伝えるべきか、メールやチャットで伝えるほうがいいのかを考えましょう。ポイントはエビデンスが残るかどうか。抜け漏れがあってはならない内容であれば、口頭よりもメールやチャットのほうが確実で、品質向上につながります。
社員が退職する理由で最も多いのが「人間関係がうまくいかないこと」。この人間関係の悪化も元をただせばコミュニケーション不足であることが多いです。日頃から気軽に相談できる相手がいれば、仕事の悩みなども溜めこまず、その場で解決していくことができます。さらにデジタルとアナログを上手に融合させることで、円滑な社内コミュニケーションを実現できれば、社員それぞれのストレスが低減し、エンゲージメントや帰属意識を高めることにつながります。
このような社内風土を創出できれば、会社の雰囲気も明るくなり、採用活動でも有利に働きます。
退職者のアンケートを見るとトップ3のうち2つはコミュニケーションに関連する内容です。
社内コミュニケーションが良好になればなるほど、離職率の低下や優秀な人材確保を実現できます。
出典:リクナビNEXT転職理由と退職理由の本音ランキングBest10
社内コミュニケーションが活性化すると上司や同僚に対して親しみを持つようになり、共に働きたいという意識が醸成されていきます。その結果、組織のため、会社のために働く気持ちが強くなるのです。同僚や上司・部下間のコミュニケーションだけでなく、部署を跨いだ社員同士のコミュニケーションを活発化させることが、帰属意識向上のカギとなります。
社内コミュニケーションが円滑であれば、意見交換やアイデア出し、情報交換がしやすくなり、イノベーションの促進につながります。リアルでのコミュニケーションはもちろん効果的ですが、時間や場所に縛られないチャットや社内SNSを活用することで、アイデアの積み上げができ、エビデンスにもなります。
現在、多くの企業がDX推進の一環として、社内SNSやチャット、オンライン会議システムなどのデジタルツールを積極的に採用し、コミュニケーションの活性化を図っています。このような環境を整備することで、社員のデジタルリテラシー(デジタル技術を理解して適切に活用できるスキル)が向上します。今後、ビジネスにおいてデジタル化の波はますます広がっていきます。いまコミュニケーションにデジタルを取り入れないと、これからあらゆる面で競合他社に差をつけられる可能性があります。デジタルリテラシーの向上は待ったなし、なのです。
これまではリアルなコミュニケーションやOJTをベースとした教育の仕組みが一般的でしたが、デジタルツールを取り入れることでより教育体系が強化できます。現在、各社から社員教育の促進を支援するアプリケーションなどが多数リリースされています。これらを活用することで、よりスピードと質を高めた教育プログラムに組み替えることができます。コミュニケーションが活発であれば、品質を向上させるためのスキルやノウハウもチーム内に共有されます。コミュニケーションの活発化により、必然的に「ホウレンソウ(報・連・相)」も徹底されていきます。このように、コミュニケーションはすべての仕事のベースになるものと言えます。
社内コミュニケーションを活性化させるためには、どのような方法が適しているでしょうか。デジタル的な手法とアナログ的な手法に分け、それぞれのアイデアを紹介します。
社長メッセージや社員インタビューなど、オンライン配信を活用して情報発信を行う企業が増えてきています。これまでは全社集会のように全社員が一カ所に集まって、経営層からのメッセージを聴くことが一般的でしたが、オンラインで行うことで、場所や時間、コスト的に大きなメリットを得ることができます。
社内報は会社の経営状況、決算、拠点設立、各部署の業務紹介など、会社の「いま」をより良く知ることで、社員のエンゲージメントや帰属意識を高められるコミュニケーションツールです。この社内報をデジタル化することで、場所や時間に関係なく、気軽に閲覧することが可能になります。特にリモートワークをしている社員には有益な方法です。
ひと昔前は仕事終わりの飲み会などでコミュニケーションを取り、仲を深めるのが主流でしたが、現在は飲み会の参加率も下がり、仕事後は自宅でゲームやサブスクを楽しんでいる人が数多くいます。飲み会よりもゲームやエンタメを楽しみたい人口が増えているのであれば、職場のメンバーでオンラインゲームを楽しんでみてはいかがでしょうか。目的は社内コミュニケーションの向上。その手段は飲み会であってもゲームであってもいいのです。柔軟な発想で効率的なコミュニケーションの方法を考えることが大切です。
社員向けのコミュニケーション活性化ツールとして、社内SNSの活用はすでに常識となっています。部署を問わず、気軽にコミュニケーションを図れることが最大のメリット。メールのように定型文やあいさつのやりとりが不要になり、要件のみでやりとりするので、業務の効率化、情報共有がスピーディーになります。社内SNSはクラウド上で情報を管理できるため、情報の一元管理にも役立ちます。
普段の業務でオンラインのコミュニケーションが増えたからこそ、花見や忘年会、運動会や決起会などのリアルなイベントの意味が際立ちます。これまでのように恒例行事として毎年開催するのは、社員にも負担がかかるため、隔年開催にするなど、リアルなコミュニケーションを楽しむ機会も維持していくべきです。
社屋の改装や建て替えを契機に、社内にソファーやカウンターなどを設置したカフェスペースを設けてはいかがでしょうか。ちょっとした打ち合わせや雑談ができるスペースを作ることで、コミュニケーションの機会が増えるはずです。ただ、雑談が長くならないように「フリートークは15分以内とする」などのルールを決めることも必要です。
会社の創業・創立記念にイベントを開催し、ホテルやライブハウスを貸し切り、全社員で祝福する周年イベント。このようなイベントを開催することで、会社は社員に感謝を伝え、社員は会社のビジョンを確認するなどの良い機会となります。周年イベント開催は、社内コミュニケーションを行う絶好のタイミング。この機会を最大限に生かせる施策を考えましょう。
社員旅行を実施する企業は減少傾向にありますが、いまだに根強く社員旅行を実施している企業があることも確かです。そのいちばんの理由は、業務を離れてリアルに社員同士が交流できる貴重な場だからです。普段は接点のない社員との交流、オンラインでしか会ったことのないメンバーとの会話など、社員旅行でしか得られないコミュニケーションには大きな価値があります。
社内コミュニケーションを活性化させるさまざまなアイデアを列挙しましたが、これらを実施するのはいつが良いのでしょうか。ベストなタイミングは、企業の周年記念のタイミングです。周年記念はさまざまなイベントを開催でき、仕事においてのハード、ソフト両面の環境を見直すきっかけにもなります。リモートワークや在宅勤務の多い企業や全国に支社が点在している企業は、周年記念のタイミングで全社員を集めるチャンス。この機会をうまく活用することで、社員のモチベーションを上げ、経営層からは社員に対して感謝の気持ちや今後のビジョンなどを伝えることで、エンゲージメントの強化にもつながります。
周年記念のご相談はアイワットへ!
コロナの影響や働き方の多様化によって、社内コミュニケーション不足が課題となっています。その課題を解決してくれるのが、デジタルツールでのコミュニケーション。しかし、デジタルツールでのコミュニケーションが効率的だからといって、デジタル一辺倒にするのは疑問が残ります。大切なのは、デジタルとアナログのコミュニケーションを両立させること。それぞれの長所を生かすことで、社内コミュニケーションは効率化を図りながらも、心の通う交流が実現できるはずです。社内コミュニケーションの不足を感じている皆さん。この記事の内容をヒントに御社の周年記念のタイミングで社内コミュニケーションを見直してみませんか?
アイワットはこれまで数多くのお客様の周年記念をお手伝いしてきました。お客様と綿密な打ち合わせを重ねることで、企業風土を理解し、お客様に合った周年記念のプランニングとともに、社内コミュニケーション活性化のアイデアもご提案します。数多くの実績とノウハウを持っていますので、気軽にお問い合せください。
社内のコミュニケーションを活性化させると、各組織内での教育やノウハウの共有が促進し、生産性が向上するほか、品質向上、離職率の低下、帰属意識の向上など数多くのメリットがあります。
社内のコミュニケーションを活性化させるためには、デジタルとアナログの両面で行うことがポイントです。デジタル的なアプローチとしては、社内報のデジタル版作成、eスポーツの推進、社内SNSの活用などがあります。アナログ的なアプローチとしては、花見や忘年会などの社内イベントの開催、コミュニケーションスペースの設置、周年イベントの実施などが挙げられます。
社内コミュニケーションが活性化すると、生産性や業務品質の向上のほか、教育体系の強化、人材の確保、デジタルリテラシーの向上など多くのメリットがあります。